三輪車を作ろう

はじめに
工具
素材
参考
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BODY
ハンドル
前輪
ペダル
後輪
完成
簡単(手抜き?)バージョン

はじめに

ハンドル、前後輪、ペダルが可動の三輪車を作ってみましょう。
少し年配だと針金細工の三輪車を懐かしがる方も多いようです。昔、縁日などで売っていたんですね。ま、今のようにゲームやラジコンなどなかった時代のお話。
当時のものはゴム動力で走ったそうだから、かなり太くて固い素材で作られていたのでしょうが、ここでは、比較的曲げやすいビニールコーティングのワイヤーで、玩具というよりインテリアに飾るようなカラフルなものを作ることにします。
ここにあることはヒント程度にして、同じものを作ることに拘らず、自分の感覚で自由に形やデザインを変え、オリジナリティーのあるものを作ってくださいね。


工具



素材

ここではビニールコーティングのワイヤーを使用しました。太さ1.2mm。
硬さなどの点で製作が可能なワイヤーなら、何を使ってもかまいません。


参考

私が作ったサンプルのサイズを書いておきますので参考にしてください。

A 54
B 30
C 24
D 42
E 38


part color length (mm)
BODY 440
ハンドル グリーン 480
前輪 310
ペダル 140
後輪 310
左の表は、このサイズの場合、ワイヤーの長さをどれくらいに取るかの目安ですが、手で持ったり支えたリする部分が数センチ余計にあった方が作業しやすいので、その分を追加した長さになっています。
最後に余計な部分を切り落としてください。また、ワイヤーの間をくぐらせるような場合、余裕がありそうなら邪魔な部分は切ってください。
また、ワイヤ−の曲げ方や巻き方で、その部分の長さには多少差が生じます。
ワイヤーの色は、わかりやすいよう、パートごとに変えてありますが、お好みの配色あるいは単色にしてください。

以上は、あくまでも目安なので、ある部分の大きさを変えたいとか飾りをつけたいとか思う場合には、そのことを考慮して長さを取ってください。これと同じものを作る必要はありません。
ちなみに、私は多くの場合、図面など書かずにフリーハンドで作っていますが、もちろん、図面を書いたり寸法を定めたりするのが悪いわけではありません。ジュエリーの分野などでは、ふつう、図面を書いて製作します。
また、足りなくならないか不安だったら、もう少し長めにしてください。でも、あまり長いワイヤーだと作業がしにくくなります。 また、大きめのものを作る時は、当然ワイヤーは長くなります。
太いワイヤーを用いたいこともあるでしょうが、その場合には、できるものが大きめになると考えた方がいいでしょう。使うワイヤーの長さは幅や高さの大きくなる比率よりも上なので、気をつけてください。長さと体積や表面積との場合に似ています。

作っている時に、細部の形が崩れることもありますが、あまり気にせず、最後に直して形を整えるようにするのがよろしいかと思います。長さが正しく取られていれば、後でうまく調整できますから。
素材と工具についてはこちらのページもご覧になるとよろしいかも。こちらにも




[ BODY ]


芯(使用する線材の1〜1.5倍程度の太さで固いもの)にBODYを作る線材(ここでは赤い線)をコイル状に隙間なく巻きます。前に巻いた部分の端に押し付ける感じで作業すると、きれいに巻けるでしょう。
巻く回数は、どんなデザインかによりますが、5〜6回が標準でしょう。あまり長いと形が崩れやすくなりますので、その辺りは配慮してください

 

作業中にかたちを崩さないよう、コイルの部分には線材を1本入れておきます。これは初め使った芯でも適当な太さのワイヤーの切れ端でも構いません。(左図矢印)
コイルの上下のワイヤーを交差させ、数回捩ります。(右図矢印の間)


捻った終わりの部分で上側のワイヤーを上方に曲げ、少し上(矢印部分))を水平方向に曲げます。


曲げた部分を中心に渦巻きを作ります。

できればサドルを意識した形にしてください。
余った部分は切り捨てます。


サドルを作った他方のワイヤーを矢印の部分で左右どちらかに曲げます。


矢印のところで下に曲げ、そこで更に小さな輪を作ります。
これは後輪の軸受けです。
輪の大きさは内径が線材の太さの1.5〜2倍程度


輪の終わりでワイヤーを直角に曲げ、その先の作った輪と対象になる位置に、同じ大きさの輪を作ります。

下に向かって輪を作り、曲げたワイヤーは向こう側を通すようにしてください。

 

その輪をペンチで挟んで前直角方向に曲げ(左図)、それから、右図矢印@のところで矢印A方向に曲げて交差させます。


交差した部分に巻きつけ、余った部分を切り落とします。
軸受けの輪は小さすぎると車軸が入らないか、もしくは回転が円滑にいきません。大きすぎると車軸の端の曲げてある先まで入り込んでしまいます。これはハンドル下部の軸受けでも同様です。

渦巻きの作り方については、こちらのページを参照。捻った線についても触れています。


[ ハンドル ]

  
ワイヤーを中程より少し左右どちらかに寄った部分で折り曲げ、そこからコイル状に数回巻きながら戻ります。これでグリップ部分の感じを出します。
ハンドルの幅をとって、もう一方の端も同様に作業します。


巻き付けの終わった部分をやや下方に曲げ、全体の真中にあたるところ(矢印の部分)で真下方向に曲げます。


他方も同様の対称形にして、交差する部分で数回巻きつけます。

それから、BODY前部にあるコイル状の中心部に刺し込みます


正面に輪を作ります。


BODYのコイルの下で中を通って来た部分に巻きつけ(矢印@)、2〜3回捩ってから外側に曲げます(巻きつけと捩りとのダブルによって、うまく固定されます。しっかりと巻きつけ捩ってください)。この時、ハンドルが円滑に動くよう、締め具合に気をつけてください。
矢印Aのところで下方に曲げ、前輪の半径よりやや長い位置に軸受けの輪(内径が線材の太さの1.5〜2倍程度)をを作ります。余計な部分は切り落とし、これを左右両方、対称になるよう作ります。





[ 前輪 ]


輪は手ごろな大きさの丸いものに巻きつけると簡単できれいにできます。

  
輪を作ったら交差した部分を輪の半径の長さ分捩ります。(上左図)
次に片方の端を輪の中に入れます。(上中図)
下の矢印方向からペンチで捩った部分を挟んで、輪の中に回し込んでいきます。(上右図)
作業中に形が崩れていたら、最後に整えましょう。


矢印部分をそれぞれ曲げます。
これを左右とも行ないますが、曲げる向きは反対(180度方向)になります


[ ペダル ]


中程に輪を作ります。大きさはワイヤーの太さの1.5倍程度。


矢印@の曲線を描いて矢印Aにも輪を作り、余計な部分を切り落とします。


この作業を両側について行ないます。


ペダルを前輪に取り付けます。ハンドルのグリップ部分をコイル状に作った時の要領で、1回だけ巻いて留めにします。余計な部分を切り落とします。


左右とも取り付けます。


[ 後輪 ]



ワイヤーの中程から、いくらか左右に寄った部分を直角に曲げます。
(後輪の幅の2分の1左、あるいは右の部分)


矢印@のところから輪を作り、1周したところで巻きつけて留め、余計な部分を切り落とします。


BODYの軸受け部分に通してから反対側を作りますが、初めに曲げる方向は逆(180度)にした方が回転がスムーズになります。
後輪の軸を入れる時


[ 完成 ]

 
前輪をハンドル部分のいちばん下に取り付けます。軸受けの輪の部分は広げずに、輪の形を崩さず横にひねって、隙間から入れるようにすると形が崩れ難いです。

各部の形を整えれば完成。




[ 簡単(手抜き?)バージョン ]

ちょっと難しいやという人は、こちらの簡単バージョンでやってみてください。

ハンドルのグリップは作らないで、こんな形に。(矢印@)
サドルもただ、丸く作る。(矢印A)
ペダルは別に作らないで、前輪の端の部分を丸める。(矢印B))

矢印Cの部分も丸く作るのは省略してけっこうです。
ハンドルがきれなくてもいいなら、もっと簡単になりそうですね。
その他、いろいろ考えてみてください。

ちなみに、素材はアルミワイヤー0.9mmです。


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ペダル
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