>WEB針金細工教室 Part 2

 まず、最初に、9ピンを使ったアクセサリーを作ってみましょう。
9ピンといってもUSB全盛の最近のPCではあまり使わないシリアル・ポートではなくて、数字の9の形をしたピンです。9の字ピンとも呼ばれています。これを繋げていってブレスレットやネックレスを作るわけです。
 用意するものは、工具、ワイヤー、ビーズ、プラスのドライバーか、または、その程度の太さの硬い棒状のもの(ドライバーは、ワイヤーを巻きつけて、コイル状にするのに使います。マイナスのドライバーは、巻きつけたワイヤーが抜けなくなるので不適当)です。

 ワイヤーの太さや、ピンをどれくらいの長さにするかは自由ですが、慣れないうちは、いくらか太めのものを選んだ方が作りやすいでしょう。ただ、その場合、大きいビーズを選ばないとワイヤーが穴を通らないことになります。
 写真で使用しているのは9ピンが0.55ミリのステンレス線、長さは35ミリで、両端を丸くすると25ミリ程度になります。この場合、両端の輪の部分の大きさは3ミリ程度にします。ワイヤーが太いときは輪の部分も大きめになりますが、輪を大きくしすぎると、形が崩れやすくなるので注意しましょう。 
 はじめは、もう少し太めで真鍮brass線などを選ぶのがいいと思います。
 丸カン(後で述べる)は0.9ミリです。
 それでは、製作をはじめましょう。ワイヤーを切り揃えるか、それとも、端から作っていって、後で長さを揃えるかは、どちらでも、やりやすいほうでかまいませんが、はじめに、作業領域に当たる部分をまっすぐにしておくと作りやすくなります。
1:ラジオペンチ(プライヤーがあったら、そっちのほうが使いやすいかも)でワイヤーの端の部分を挟みます。そして、右手首(左利きなら逆、以下同じ)の回転を使って輪にしていきます。
2:この場合、左手は、ワイヤーをしっかり固定することに専念して動かさないでください。曲げるのは、あくまでも右手首の回転です。そして、輪のできる進み具合に応じて数回、ペンチの位置をずらして輪を完成させます。
3:図の位置を挟んで、やはり、手首の回転で、輪を立ち上がらせます。
4:最後に形を整えます。輪の付け根の部分がしっかり閉じているか注意しましょう。片方ができたらビーズを入れて、もう一方の輪を作ります。
 どうもうまくいかないという人は、左図の方法でやってみてください。適当な太さの芯棒にワイヤーを巻きつけ、ペンチで挟んでワイヤーを押さえつけ、形を整えます。そして、ピンクで示した部分をニッパーで切ります。後は、3、4の工程です。これもうまくいかないという人や、子供さんなどは、輪の部分を三角形に変えてやってみましょう。

 次に、丸カン(輪カンとも言う)を作ります。これでパーツを繋いでいくわけです。楕円形のものをCカンと言って、こちらのほうが外れにくくていいので、上達したら作ってみてください。
 丸カンは、芯になる固い棒状のものに、ワイヤーを巻きつけて形をとり、ニッパーでカットして作ります。丸いものを巻きつけて作るのは色々なときに便利な方法ですから覚えておきましょう。コイル状に巻きつけて切っていけば、たくさん作るとき、効率良くできます。きれいに巻くコツは、一周前の部分に押し付けるように巻くことです。

(コイルは、ビーズアクセサリー製作の工具として販売されているコイルメーカーを使えば、楽に作れます。)

丸カンを開くときは、図のように、輪の面に垂直な方向に、交互に開きます。こうすると、形を崩さないで開閉できます。これは、9ピンを開く時も同じです。
 なお、ニッパーの切り口については前で述べましたが、平らに切れるのは前のほうだけで、後ろ側はきれいに切れていません。ですから、そちらをもう一度切った方がきれいな仕上がりになり、合わせ目がぴったりします。
 丸カンができたら、これで、9ピンを繋いでいきます。端に留め具を作って、もう一方の端の丸カンに引っ掛けるようにします。これで、ブレスレットやネックレスが完成です。イヤリングやピアスなども考えて、作ってみましょう。
 後は、あなたのセンスでヴァリエーションを考えてください。例えば、丸カンを大きめにして、9ピンを2本ずつ繋げるとか、丸カンを作るとき、コイルをひとつおきに切って、S字形にするとかいろいろあります。

★9ピンのアクセサリーを製作するときの工具で「指カン」というのがあります。カルチャー・センターの講座などでは使うと思います。あると便利ですが、必要というわけではありません。練習すればペンチだけで作れますし、針金細工のより高い段階へ進みたい方は、ペンチの扱いになれることが大事です。そういうわけで、ここでは「指カン」にはふれません。

★9ピンだとネックレスなどの場合、ワイヤーの間に髪や衣服が挟まってしまう経験をされていたり心配をされる方もあるでしょう。そういうことを回避するには「めがね止め」という、やや進んだテクニックがあります。
これは、輪を作った後、ワイヤーの端を輪の根本に2・3回巻きつけ、余計な部分を切ってから、そこを工具で挟んで押さえ、浮いたところが引っかからないようにします。

NEXT
BACK

WEB針金細工教室 MENU